安彦良和の『虹色のトロツキー』が満州帝国を舞台にした、動乱の時代のコミックというのは、
貴兄、ご存知であろうか。
登場人物たちが、いい。
夕陽将軍石原莞爾、狂言回しの辻政信参謀、合気道の創始者植芝盛平らだ。
ストーリーというほどのものはないが、満州建国大学(実在の大学だ)の学生である、日蒙混血の主人公ウムボルトと彼らのトロツキー招聘をめぐるイキサツを描いた物語りだ。
五族協和、八紘一宇を目指した理念は立派な大学だ。満州人、朝鮮人、中国人、倭人の別け隔てなく、学べる場を提供し、そこにトロツキーを呼ぼうとしていたというのも計画倒れであるが、本当の話。
ナチやファシストには「八紘一宇」は絵空事としてまったくその政策は理解されなかったというが*1、多くの国民はそれを信じていたことは忘れてはならない。操り人形かわからんが、正義があると信じていたのだ。満州帝国の理念も当初はそうだった。
理想国家の建設に邁進した人もいたのだ。アカシアの大連を見給え!
整然とした計画都市をつくり、五族協和の街を目指したのだ。
その都市理念はただの植民都市ではない(と思うのだがどうだろう)
このコミックにも安彦の政治力学への洞察が生かされている。これがガンダムを面白くさせていたのだけど、ここでもウムボルト以外の人物は生き生きと描かれているし、
満州ドリームがちょっと伝わってきて、憧憬を感じる。

- 作者: 安彦良和
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2010/05/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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【満州帝国の記録映像】
米国製作の記録映画をこのサイトで無料ダウンロードできる。
*1:実質的にもそうだったのだろう