サイエンスとサピエンス

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送電システムの効率性について 主要国の比較

 先進国(中国を含めて)の交流送電網で、送電ロスがどうなっているかは気にかかる。

 一つ言えることはは送電電圧が高いほど送電ロスが大きいだろうということだ。

 それに関連して、受電する消費者側の電子機器への影響もある。電子工学では熱発生を抑えるには電圧を減らすと教えられる。また、熱が滞留するとデバイスの寿命が短くなる(アーレニウス則)ことも知られている。

 各国の送電システムの定格電圧は送電の効率性(送電ロスの大小)と家電の寿命や熱発生にもかかわるわけである。電気の省エネの度合い、家電の寿命という省資源性にけっこう効いているということだ。

 でもって、先進国(中国を含めて)の家庭側の電圧を比較してみた。合わせて周波数も出しておいた。

 

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各国の電圧事情

 ドイツ、イタリアなどEU諸国は230vと日本の二倍以上である。中国は220V、ロシアから送電システムを輸入したことを示唆している。カナダとアメリカは120V。

日本は100Vだ。よって、理論的には送電効率はこれらの国よりましな気がする。

実際の数値は東京電力サイトに比較のグラフがある。フランスとカナダが日本より高効率であるのが意外だが、アメリカと中国のボロさに唖然とする。

 ということで、日本は他国から省エネ省資源で後れを取っていると批判されることがあるが、送電システムに関してはそんなことはないと思うのだが。