サイエンスとサピエンス

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超長い振り子の方程式を解く

 かのアルキメデスは「足場を与えてくれ、さすれば大地も動かしてみせる」と言った。古代最大の数学者で物理学者でもあったこの人の夢は、人工衛星を自在に運用できる現在、ある意味で実現している。

 はるか後代のガリレオ・ガリレイは、同じくイタリア半島の出身でもあったが、振り子の等時性を発見した。

 ここで考えたいのは、惑星から離れたところに支点(足場)がある、単振り子の問題であります。惑星の大きさ(半径R)がどのように影響するかが気になったのです


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 アニメは聞き流してもらい、運動方程式とその前提を求めていこう。

 質量Mで半径Rの惑星があり、離れたところに振り子を支える支点がある。振り子の長さはl、質量mとする。振り子の支点は惑星の重心とR+lだけ離れている。振り子は棒で支点と結合されている。

 θは振れた角度で微小振幅として、小さい値である。

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 これで、ラグランジェアンL が出せる。Gは重力定数であります。

 

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 運動方程式はこうなる。重力場での自由運動は楕円などの二次曲線になるはずだが、

ここは振り子の「棒」がそれを許さないとしておこう。紐だと微妙に天体運動のようにふるまうかもしれない。

 

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これをダイレクトに解くのはそれほど意味がないので、近似する。

θはゼロに近いとし、l/Rも1より小さいとしよう。