パソコンやスマホなどでプライベートな情報にアクセスしたり、会社や学校のイントラネットにVPNで入ろうとしたりすると必ずパスワードを要求される。
また、定期的にパスワードを変更することも求められる。
セキュリティ対策であり自己防衛として必須であるということだ。
それにしてもどれだけ時間を消費しているのであろうか?
フェルミ推定してみた。
推計する時間は下記の量だ。
現代人が1年間にどれだけパスワード入力とパスワード管理に時間を費やしているか。
パスワードを忘れたり、入れなおしたり、間違って無効化されて回復する、そうした時間は今回は扱わないでおく。
前提としてスマホ&タブレットとパソコン、つまり端末をまとめて扱い、その所有者は20億人とする。
1)パスワード入力
休日や祭日などを除いて端末にアクセスする日数を300日として、5回/日ほどパスワード入力するとしよう。所要時間は5秒とする。
20億人×300日×5回/日×5秒/3600秒=4166666667時間=475646.8年
47万年分の時間が費消されているわけだ。
2)パスワード管理
こちらは年に10回程度、パスワード変更するとしよう。所要時間は30秒/回だ。
20億人×10回/日×30秒/3600秒=166666667時間=19025.8年
1.9万年分の時間が費消されているわけだ。
総計は49万年となる。人びとの時間をこれだけ奪っているわけなのだが、必要悪ということで誰も問題視しない労力となっている。何も生みださない時間なのに、無視される巨大なロスタイムなのだ。
自分であることを証明するための行為にこれだけの無為な時間を使い果たし、それもたびたび更新しなければ見捨てられる。
なんとも自己同一性と認証というのはネット社会で不定で流動的なものなのだろう。