サイエンスとサピエンス

気になるヒト、それに気なる科学情報の寄せ集め

ダーウィンが来たに見られる求愛行動とモテル紳士のマナー

 多く論者が異口同音にいうには女性に対してウケる、つまり、好感度アップの行動様式は、生物学、もっといえば行動生物学の知見が当てはまる。

 NHKの長寿番組『ダーウィンが来た』は、そうした事例を倦まずたゆまず放送し続けてきた。つまり、家族形成に向けての生物界の教訓を発信していたと言えなくもない。むろん、ターゲット層は「おひとり様」をよしとして少産化する日本人たちだろう。

 ダーウィン自身も「性淘汰」は重視していて、『人間の由来』はそのテーマについてだったかと記憶している(懐かしの世界の名著シリーズの一冊)

 

 女性はやはり自身を中心とした家族編成(母子の安定した生活)を当初から本能的に戦略の中核に据えていることが多い。配偶者候補の清潔さ、誠実さ、甲斐性といった特性のエバリュエーションは初期段階での重要なチェック項目になっている。

 いずれも雌の営巣本能の現れみたいだ。興味深いのはもてる男性の特徴の一つが女性の発言を重んじること、それに共感を示せることだろう。一見無意味に思える女性の饒舌は随分と重要な情報を含んでいるものだ。うむ、人間ならではのチェック項目だ。

 雄が雌の意を速やかに汲んで行動してもらわねば、私=雌はまともに子作りなんてできないのよ!的な要素だ。

 それに引きかえ、配偶者候補の外観は生物学的な評価と社会的な見かけ上の評価に二分されるようだ。

 健康&清潔であれ、臭くなくてエネルギッシュであれ、行動的でキビキビしていて、男らしさがあふれるという特性は生物学的視点でのチェック項目。

 服装や身長などは他の異性への顕示的な傾向を示す社会的なチェック項目であろう。女性の伴侶はカッコよくて社会的威信を兼ねていなくてはならないというわけだ。でもまあ、営巣&母性本能からすれば副次的な選択特性かなあ。  

 化粧とかオシャレというのは女性の他の異性への顕示行動でもあり、配偶者候補を引き寄せる戦術的行為でもある。これは女性間の競合要素になるのだろう。社会学者ウェブレンの記述では有閑マダムの外装はそうした社会的なディスプレーの行動様式として、ややもすればシニカルに扱われる。

 そもそも多くの女性にとって、適当な人込みに加わるのが好みであるように思えるが、それは顕示的行為が裏付けているのだろう。人に見られるというのは彼女らのプライドをくすぐるリーゾンデートルなのであろう。

 禿げの男性というのはここでは微妙な性質となってくる。これについては男女間で深淵があるようだ。

 

 

 

 

 全国の男性有志諸君、ダーウィンが来たをみて、それとなく学ぼう。

CWIJ チョイ悪、いらっとジジイになりましょう!