相互確証破壊(MAD)は核保有国同士の抑止力を説明している。核による先制攻撃を乗り越えて報復できる反撃力を保持することで、ハルマゲドンを抑えるという考えだ。
核使用はそれを使った国が確実に反撃されるという脅威によって、これまでのところエスカレーションは抑えられてきたのであろう。
ところで、その一時的な抑止効果とひとときの安寧を脅かす時代になったのではないかというのが、ここで触れておきたいことだ。
仮にどこかの第三国に属するハイテク軍事産業Zが存在するとしよう。核弾頭を開発する技術的な困難さはほとんどないだろう。十分な核物質さえ入手すれば核弾道弾を持ちうる。
戦闘行為を受託できるとして、AIにより自動運航する潜水艦に潜水艦発射型弾道ミサイル(SLBM)を持たせる。
ある国XがこのZに敵対国家Yを攻撃することを秘密裏に委託したとしよう。これは暗号通貨による裏取引として実施される。Zはすべての条件を潜水艦AIに入力し、あとはAIの判断で勝手に攻撃させることができるだろう。つまり、Zは直接的な指示はしないで、潜水艦AIにYへの攻撃をゆだねるだけだ。攻撃後、潜水艦は深海に自沈し自爆するプログラムが作動する。
そんな状況で核攻撃をAIが実施したとしよう。Y国はどこに反撃するのだろうか?
Z産業を見つけ出せなければ、首謀国がどこかを特定できない。暗号通貨の出どころを見つけ出すのも容易ではない。つまり、反撃するまでに時間がかかる。
その間に第二第三の核攻撃が無人兵器により決行されるだろう。核抑止力は無効化されてしまうのではなかろうか?
また、国家に所属しない組織、その組織は別国家に本拠を持つとしたら、その別国家を攻撃するだろうか?

