サイエンスとサピエンス

気になるヒト、それに気なる科学情報の寄せ集め

古老の国 Japan

 世界は老いてている。史上かつてないほど老いている。生きている人びとの平均年齢は、最高値を更新している。
 その最先端を往くのは「日本」である。

世界各国で「65歳以上人口/壮年人口」を表示したのが上図である。白い国ほどその割合が高い。日本は「0.345」である。お隣り韓国は「0.150」。中国は「0.112」だ。
アメリカは「0.192」となる。老年人口が多いのである。
アジアとは異なる。日本はヨーロッパ諸国のイタリア、ドイツなどと同レベルである。

 もはや3人で1人の老人を支えているといっていい。これが経済失速の原因だという経済学者もいる。いずれにせよ、どのような国家も経験していないゾーンに日本は突入している。しかもなお、移民を拒み続ける。単一民族神話があるからだ。
 政治の指導力と求心力は弱く、なにごとも決定できない政権がながらく居座るなか、制度の再構築が焦眉の急であるのは確かだろう。

 アジアで比較したのが下表である。日本は太字である。飛び抜けて老いている国。
しかも人口大国である。中国、インド、そしてインドネシアと並ぶのである。

平均寿命と年齢中央値が両方とも高いのである。
年齢中央値とは、人数を高齢側から勘定する和と若年側から勘定する和がちょうど同じ(人口を二分)ところの年齢である。これも高い。

世界の中でそれを図示しておこう。

横軸が平均寿命、縦軸が「65歳以上人口/壮年人口」の比である。赤丸が日本を指す。左上に点があるがこれは「モナコ公国」で参考になる国ではない。それでも遙か下方のの最左翼にあるスワジランドよりは百倍以上も幸運とみなすべきなのかもしれない。

 この事態にすべての年齢の国民はよく考えて行動していかねばならないだろう。
 高齢者はその恵まれた立場から、中年層は社会を支える立場から、若年層は社会弱者化しないようにイニシアチブをとるという立場から。