サイエンスとサピエンス

気になるヒト、それに気なる科学情報の寄せ集め

2016-11-01から1ヶ月間の記事一覧

すべてのハードなスパルタ訓練方式は無駄かも

経済心理学者のカーネマンの逸話というのは、示唆的だ。 鬼軍曹のような教官が訓練生を叩き上げる方法はこうだ。 「訓練生がうまく操縦する、賞賛は良い結果をもたらさない」、そして「訓練生が下手に操縦する、教官は訓練生を大声で下等霊長類になぞらえる…

20世紀と21世紀の物理学の出来事比較

以前にも同様な比較をしたが物理学の20世紀の最初の16年間を振り返っておこう。ちょうど100年前の新世紀の始まりの16年で物理学上の革命が起きていた。まず、1900年(明治33年)のプランクの量子仮説は19世紀であったからここで触れてはいけないのだ。…

ポリュビオスの国制循環論

古代ギリシアの三大歴史家というと、歴史の父ヘロドトス、それにアテナイの興亡を光芒のうちに描き尽くしたツキジデスまでは名が知られている。しかしながら、3人目にポリュビオスを名指しできるヒトはそうとうに歴史に造詣が深いといえる。 ポリュビオスは…

汎用的な真理値関数による思考実験

仮に命題の真理値を計算できる汎用的な関数の存在を認めるとどんなことが言えるだろう? 真理値関数の入力は真偽を判断する命題、時間、場所、ヒト(判断主体)、それに文化とする。 ヒトと文化の変数は切り分けが難しい。 言語はどこに属するか?宗教はどう…

suica柄のウリ

スウィフト流に言うなれば、人間の皮膚と異なりいかなるクローズアップにも耐えられるのが植物の実だ。

人工知能のハイプサイクルが始まる

技術畑のリサーチで有名なガードナーグループは特定の技術の社会的受容のモデルとしてハイプ・サイク(Hype Cycle)を提唱している。 概ね、下図のような曲線を経由して先端技術は社会に浸透する。初期の過度な期待や脅威や予想を経て、disappointment(失望…

伝説の原子論者モコス

古代ギリシアのイオニア学派は事物の始原(アルケー)としての自然哲学を開始した。 諸子百家が沸いて出たようにその始原は諸説紛々であったが、ハイデガーが申立てしたように存在の棲家は古代の自然哲学者の言説にあったようだ。 原子論(アトミズム)はレ…

麹菌が毒とされた頃

アスペルギルス属のオリゼというのが日本の麹菌の名称である。この菌は有毒であると20世紀初期には判定されていた。 中野政弘によるとこうなる。 チャールス・トムの『アスペルギルス属カビ類』という大冊な分類学書が一九二六年に発行され、世界中の菌類学…

ストロマトライトの近接写真

生命の歴史上、もっとも古いと思われる化石がストロマトライトだ。細菌、というか藻に近い単細胞生物の集団であった。34億5千万年前のオーストリアのストロマトライトが知られている。 こうしてみると菌類というのは、人類を含むすべての生物の始祖はないか…

サーハン・サーハン

ロバート・F・ケネディの暗殺者はまだ生きている。 ロバート・ケネディは言わずと知れた元司法長官で、ケネディ大統領の弟であり、いまの駐日大使キャロライン・ケネディの叔父である。 1968年6月5日に事件は起きた。 暗殺者のサーハン・ベシャラ・サーハン…