サイエンスとサピエンス

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フランスの生んだ三人の若者 神が愛でし夭折の天才

 フランスは西洋文明の中心の一つである。その文明の中心が産み落とした自然科学系の三人の若者たちを比較してみたい。

 パスカルカルノーガロアの若者たちだ。

 パスカルは数学と物理に不滅の業績を残した。真空の研究と確率の創設者であることを特筆しておこう。30代(39歳)で亡くなる。

 もちろん『パンセ』のほうが主著なのだろうが、それに関して彼が垣間見た無の深淵こそは「真空」の研究から帰結ではないだろうか!

 カルノー熱力学第二法則の基礎をもたらした。エントロピーの概念はそこから生じる。30代半ばで世を去る。国内で伝記がないのが残念である。

 ガロアは勿論、ガロア理論だ。22歳で亡くなる前夜にかいた論文でガロア理論の骨組みを書き残す。これぞまさしく数学(代数学)の離れ業、神技としかいいようがない。彼の悲劇的生涯は多くの人の共感と悲嘆をそそってやまない。

 当時の基準では30代はわかものとはいえないかもしれないが、現代人からすると若者であろう。