サイエンスとサピエンス

気になるヒト、それに気なる科学情報の寄せ集め

2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

人工知能は倫理的でありうるか

キューブリックの『2001年宇宙の旅(2001: A Space Odyssey)』的な時代はもうすぐやってくる。 ご承知のように、この映画では、木星探査のため、HALは搭乗員のかわりに宇宙船ディスカバリー号を操縦し、システム全体をコントロー&故障診断し、搭乗員の生命…

ミラー・ニューロンと模倣の社会学

脳科学の最大の発見の一つは「ミラー・ニューロン」の発見である。他者の身体に関する脳の活性部位が同定されたと単純化できよう。 他者の動きを見て、まるで自己の身体が活動するかのように活動電位が高まる神経群があるのだ。 「ミラー」とは自己を写す鏡…

太陽系形成の標準モデル

その昔、太陽系形成の渦モデルなるものがあり、それはボーデの法則を説明するとかで、大いに感心したことがある。いわゆるワイツゼッカー説である。 今日では、それがより精密な「太陽系形成の標準モデル」なるものに置き換わっている。京都モデルという。京…

人のライフサイクルと重心の高さ

オイディプス王の解いたスフィンクスの謎は、こんな問いであった。 「朝には4つ足、昼には2本足、夕には三本足で歩くものは何か」 言うまでもなく「人間」である。 これを人体の重心という観点で総括すれば、生まれた頃は寝てばかりいるので、最低レベルの…

ジェームズ・タレルのサイエンス・アート

光の環境芸術家ジェームズ・タレルの代表作『ローデン・クレーター』 アリゾナ州の実物クレーターの環境破壊による環境芸術だ。 規模の大きさは地図でわかろう。日本にも直島をはじめ幾つか作品が置かれている。大きな地図で見る 1980年代に坂根厳夫がま…

盲(めしい)た賢者 ボルヘスの語り

『七つの夜』なる講演を、老賢者ボルヘスの語りをじかに聴きにいこう。 1977年77歳の文学の泰斗が、「神曲」「悪夢」「千一夜物語」「仏教」「詩」「カバラ」「盲目」について語る名講演。南米アルゼンチンにあって東洋と西洋の文化を通観した図書館司…

地球重力場の微小変動を観測し続ける衛星 GRACE

GRACE(Gravity Recovery and Climate Experiment)はNASAとドイツ航空宇宙センター(DLR)が打ち上げた地表の観測衛星だ。2002年に打ち上げ、現在でも観測を継続中である。 その著しい結果が地表の重力場の経年変化を可視化できることである。 公式サイトGRACE…