サイエンスとサピエンス

気になるヒト、それに気なる科学情報の寄せ集め

2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

大地震の正の側面

大都会に住むものとして直下型地震に怯える一人であり、東日本大震災の被災者や過去もろもろの地震の犠牲者には哀悼を捧げる。 とは言え、天災のなくなることがない国土に永住する市民として、ネガティブな地震イメージだけを言挙げするのも業腹であります。…

なんでこんな古典まで訳してる? 科学史の名著

日本は翻訳大国である。 そうであったし、これからもあり続けてほしいものだ。 優秀な研究者がその専門性と現代的な知識でもって、科学史の古典を一般市民に紹介するのは、科学の裾野を拡げる意味でも、温故知新で過去の叡智から新たな発見を拾い出す意味で…

脳科学者の脳活動or「私」を考える脳の部位

社会科学でも本格的な脳科学化が進行中だ。それは当然そうなるだろう。脳活動を見える化(fMRIで可視化)することが手軽にできるのだ。自然科学的基礎づけを切望していた一部の社会科学者は飛びつくのはしごく当然だ。 また、人との関係でミラーニューロンが発…

恐るべし二酸化炭素の濃度上昇

2011年の大気での二酸化炭素濃度は390ppmだったはずだ。 それが7月20日に「CO2濃度、最高値更新…WMO「驚異的増加」」とのNews。 ハワイのマウナロア山で「407.7ppm」を観測したのだ。5年間で18ppmも上昇してる! 1ppm = 0.0001%な…

特許法 第32条の件

特許法の第32条は特許を受けることのできない発明を規定している。 通例は第32条というとアダルトグッズ法とか呼ばれ、 「公の秩序、善良の風俗又は公衆の衛生を害するおそれがあ. る発明については、第29条の規定にかかわらず、特許を受けることができない…

認知症に関する進化仮説と福祉政策

生殖年齢をとうに過ぎた高齢者が人類社会ではどうしてそれなりに大事にされてきたか。とくに伝統社会では「長老」として政治や司法の相談役などを割当られてられるばかりでなく、医療や教育にもあずかっていたはずだ。 人類社会の存続に必要であったからだ。…

どこよりも早く環境劣化の進む国 オーストラリア

核戦争後に生き残る国、かつてオーストラリアを舞台にした『渚にて』という作品があった。北半球で再び核戦争の危機が高まっている今、それは起こりえる現代文明の選択肢かもしれない。 水晶球のなかの不確実な未来を語るまえに、目睫の間にせまるオーストラ…

ダフニスとクロエ

前三世紀ごろから紀元一世紀までに、ギリシア文明に「小説」の始祖というべき物語群が生まれた。これらがヨーロッパ近代文学に流れ込んでゆくことになる。 現在までほぼ完全に伝承されているのは以下の五つである。1)カリトーン『カイレアースとカリロエー…