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ゲーデル・コード 天才的論理学者はアメリカの独裁者の誕生を導出した

 2024年のアメリカの次期大統領選は波乱含みの展開となり、どっちに転んでも政治的な混乱が避けられないだろうと大方の人は固唾をのんで見守っている。

 この大統領選に関しては20世紀最高の論理学者クルト・ゲーデルの逸話を連想せずにおれないのです。

 1948年にゲーデルはUSの市民権を得るための面接を受けることとなった。アインシュタインとモルゲンシュテルンが保証人になった。ハオ・ワンの評伝から引用する。

受験しなければならないお決まりの試験がたとえ易しいものでも、ゲーデルは真剣に予習して、合衆国憲法を丹念に勉強した。面接の前日、ゲーデルはモルゲンシュテルンに、合衆国が独裁制に移行する論理的、法的可能性を発見したと語っていた

 この論理的、法的可能性こそは合衆国憲法の抜け穴であり、法的拘束力のわくないで独裁制を確立できるという論理学者の予期せぬ発見なのだ。

かりにT前大統領がこれを自己の法的根拠として活動したらという一抹の不安がある。

幸いにしてこの発見の詳細は開示はされていない。彼の残した膨大な遺稿のなかに埋もれているのだろう。この遺稿には、ほかにも「神の存在証明」や「輪廻宇宙論」とか天才の閃きが書き込まれていると言われているのではあるが。

 こうしたゲーデルの発見をかつてダン・ブラウンの『ダヴィンチ・コード』にかこつけて「ゲーデル・コード」と呼んでおこう。

 

 

ちなみに、MicrosoftのCopilot(無料版)に質問してみた。

Q 「クルト・ゲーデルが発見したアメリカ合衆国憲法の抜け穴で、独裁政権を可能のにする解釈を教えてください。ステップ倍ステップで教えてください。

 

Copilotの回答

「こんにちは。Bingです。クルト・ゲーデルが発見したアメリカ合衆国憲法の抜け穴についてお答えします。ただし、この解釈は、クルト・ゲーデルが発見したとされる抜け穴についての一般的な説明であり、法的な正確性や実際の適用可能性については保証できません。また、独裁政権を可能にする解釈については、私たちは推奨しません。それでは、以下のステップで解釈を説明します。

1. クルト・ゲーデルは、アメリカ合衆国憲法の第一修正条項に注目しました。この条項は、言論の自由、出版の自由、宗教の自由、集会の自由、請願の自由を保障しています。
2. ゲーデルは、この条項が、独裁政権を可能にする解釈を許容することを発見しました。具体的には、政府が言論の自由を制限することで、独裁政権を樹立することができると主張しました。
3. ゲーデルは、この解釈が、アメリカ合衆国憲法の他の条項と矛盾することを指摘しました。しかし、彼は、この解釈が、憲法の条項の一部として存在することを示しました。
4. ゲーデルは、この解釈が、アメリカ合衆国憲法の枠組み内で合法的に適用されることを示しました。彼は、この解釈が、憲法の条項の一部として存在することを示しました。
      以上が、クルト・ゲーデルが発見したアメリカ合衆国憲法の抜け穴についての一般的な説明です。ただし、再度強調しますが、この解釈は、法的な正確性や実際の適用可能性については保証できません。また、独裁政権を可能にする解釈については、私たちは推奨しません。」

たしかにもっともらしい説明だけれど、ゲーデルがこんな自明のロジックを見つけて興奮したとは思えない。 

 言論の自由を奪えば独裁制に貢献する。歴史的にはファシズム体制はそうしてきているのではあるけれど、言論の自由を奪ってから民主制を簒奪するって順番が逆じゃないかと突っ込みたくなりますね。

 

 それとCopilotのリンク先

ゲーデルと米国憲法の論理的矛盾 - FIRSTonline

このサイトにある「ゲーデルはいつもの真剣さと細心の注意を払ってこのテストの準備をし、最終的に、建国の父によって設計された米国の制度システムには、独裁とファシズムへの扉を開く可能性のある論理的な脆弱性があることを発見しました。」は、ほとんどハオ・ワンの書物の書き写しに見える。

 

【参考文献】

 邦訳のある書籍で最も浩瀚で親しくゲーデルに接した作者ならではゲーデル