サイエンスとサピエンス

気になるヒト、それに気なる科学情報の寄せ集め

2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

中谷宇吉郎の東洋思想への傾斜

分子分光学を日本で発展させた藤岡由夫(1903-1976)に『妖気』(1939)なる「科学随筆」の一篇がある。その前半は藤岡の母親への中谷宇吉郎の見舞いの逸話から始まる。 母の病室を見舞って出て来た中谷君は「君のお母さんのこんどの病気はどうも心配だから、…

インドネシアの泥火山の居場所

ナショジオでレポートされていた「村をのみ込む泥噴出、止まらない原因を解明」の場所をGoogle mapで調べてみた。Wikipediaでは「Sidoarjo mud flow」という記事が詳しい状況をレポートしている。 噴火から、もう11年も経過している。その昔、自分もそのドキ…

千葉県市原市のチバニアン探訪

日本の地名が地質年代に入るかもしれない、その場所を訪れてみた(10月半ば)。房総丘陵の中ほどにあり、余程の好きものでない限り、アクセスしない土地にある。観光地などとはほど遠いのであります。 チバニアンというよりは「地球磁場逆転地層」でGoogle m…

カリフォルニア州の山火事ニュース

10月14日付けNHKニュース『米カリフォルニア山火事 発生直後の映像公開』では、こんな記事が報じられている。 カリフォルニア州北部で8日発生した山火事は、ワインの産地として知られるソノマ郡やナパ郡などを中心に燃え広がっています。州当局によりますと…

土を知らないのに物質の究極を知っているの?

レオナルド・ダ・ヴィンチは「天体の運動を足下の土よりよく知っている」と言ったそうですね。 天体の運動は幾何学的な情報だけで、その理解のためのモデルは比較的シンプルなのでしょう。そして、ニュートン力学が生まれ。素粒子を扱うための量子力学まで成…

日本語の言語認識モード

ここ数年、閲読したなかでも日本語による認識の特徴について大いに開眼させてくれたのは、次の言説だった。 日本の元素名はかなり複雑な構造をもっている。水素・酸素・炭素など「素」の字のついた元素名のほかに、金・銀・銅・鉄のように(中国に倣った)漢…

ロシアの宇宙精神 奇書『ノースフェーラ』

ロシア人の精神はつくづく西洋とは異質なものと感じる。その代表はヴェルナツキイ(1863年-1944年)という地球化学の創始者の特異な思想だ。この人はソ連の代表的科学者であった。 晩年のヴェルナツキイ 宇宙精神の発露といってもいいその思想はコスモロジカ…

ボースの科学院 @カルカッタ

インドの科学者でBoseといえば、Bose-Einstein統計のBoseやラマンなどを思い出す。ここはもうひとりのBoseを書き出しておこう。ジャガディッシュ・チャンドラ・ボースは1858年に生まれ1937年に亡くなる。インドにおいてはつとに著名であり、イギリス留学の後…