サイエンスとサピエンス

気になるヒト、それに気なる科学情報の寄せ集め

2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

笑う唯物論者たち

『人間機械論』で名を残すラ・メトリーはフランスの医者であり思想家でもあった。 そうとうに愉快な人物であったらしく、啓蒙主義君主かつ軍事的独裁者でもあったフリードリヒ大王に大いに気に入られていた。 「ラ・メトリを手に入れたことを自分ながら大手…

蝶-対称性

日本最古の昆虫専門の博物館「名和昆虫博物館」の展示でシンメトリーを感じた。 世界の美蝶展示は、なかでも圧巻だ。 小粒ながら各所での工夫が光る。子供たちが多く来ていたのが印象的だった。 同館は1919年に開館して以来、今日まで続く。

レバノン杉の減少について

ある会話で「レバノン杉は人類の浪費のせいで縮小した」と主張してみたが、論拠がどこにあったか曖昧なので探してみた。ついでに、その残存状況の調査を試みる。 レバノンの国旗の真ん中に描かれた樹木はレバノン杉であろう。学名はCedrus libani それほどま…

富士山の火口列

先週の『ブラタモリ』に啓発された。赤色立体地図はまことに裨益すること大だ。地形のダイナミックを手に取るように理解することができる。 発明者の千葉達朗(アジア航測)に脱帽する。貞観年間の富士山の大噴火は有史上最大の噴火とされるが、その正体がま…

1960年代のBMI実験

なぜかスペインは大脳に関する有能な科学者を輩出する傾向にある。といっても二人ほどだが。一人は文句なしの偉大なラモン・イ・カハールであるが、そして、もうひとりはホセ・デルガードだ。 ESBは脳電気刺激のことであり、デルガードはリモコンで脳内に埋…

オーグスチンの法則

航空宇宙産業で成功した企業家が皮肉るアメリカの官僚主義ジョーク集。 第1の法則 「雌豚の耳で絹の財布を作ることはできない」と諺では言うが、まず絹の雌豚を作れば 可能になる。お金についてもまったく同じことが言える。 第2の法則 今日が明日の半分の…

時間SFテレビシリーズの欠作

アメリカのTVシリーズで大人向け時間SFものの最初の話題作はアーウィン・アレン監督の『タイムトンネル』 (The Time Tunnel) であろう。1968年から30作ほど放映された。 若き科学者トニー・ニューマンとダグ・フィリップスのタイムスリップものだが、途中で…

ピュタゴラス学派の源郷 クロトン

古代ギリシア文化に不可欠な地域は「マグナ・グラエキア」、大ギリシア地方と訳すのか、である。南イタリアなのだけど近代の南イタリアは、ナポリ以北にしか脚光を浴びることもなく、経済的には不毛なイメージを与える。 ギリシア文化史、哲学史ではパルメニ…

ティコ・ブラーエの天文台跡

ケプラーが超一流の数理天文学者であったとしても、ケプラーの三法則はそれだけでは発見出来なかった。 一流の天体観測家であるティコ・ブラーエがいなければ、近代的な天文学は生じることがなかったかもしれない。 時代を超えた精密な観測結果がケプラーの…