サイエンスとサピエンス

気になるヒト、それに気なる科学情報の寄せ集め

2016-12-01から1ヶ月間の記事一覧

単位名における国家独占

単位というのはグローバリゼーションの走りではあるけれど、一部の偏屈な学者先生を除いては誰もその導入に反対はしていないようである。かつて東大工学部の内燃機関の先生にそうした名物教授がおりました。 それはともかく、単位のあるものは人名に由来して…

樹木の菌根

知らないでいたのだが、かなり多くの樹木の根は菌と共生している。マメ科の植物が菌類と共生して大気から窒素を吸収するのは有名だが、菌類と共生する樹木は多く、ブナ、オーク、マツなどはそうである。 根の一部となった菌糸を通じて、水分やリン酸などを吸…

ドーキンス vs. グールド

人に説明しようとして失敗した経験があるのが、この進化論者の対決の争点だ。 なるほど二人とも知名度の高い進化論の擁護者であり、正統派の科学者たちである。ドーキンスは進化論の騎士ラーンスロット、グールドは進化論のプリンス・オットーに例えられよう…

東アジアの大気汚染と肺がん死亡率

冬場になると連日、お隣の中国ではPM2.5の警報が乱れ飛ぶ。北京、大連、上海など大都市圏は霧の都と化す。 それは1960年代の日本の工業都市を思わせる。たぶん、規模や濃度はそれ以上であろう。 20世紀中頃のイギリスでも「ロンドンスモッグ」(1952年)で10…

ポパー vs. ウィトゲンシュタイン

科学基礎論の覇者カール・ポパーと論理哲学の王ウィトゲンシュタイン。この伝説の男たちが対峙した一夜があった。その場にはイギリス貴族の末裔にして当時の哲学界の大審問官バードランド・ラッセルがいたとなると歴史上の単なるオモシロ・エピソードではな…

柳田国男とは何者だったのか

いくつかの柳田国男論を自分も読んでは見た。 読んではみたものの「群盲象を撫でる」の感は深まるばかりであった。それもそのはず、論者たちは時代の制約のせいで、「小者」になっているからであろう。明治の成長期に時代の重荷を背負って幾たびもの試練や国…