サイエンスとサピエンス

気になるヒト、それに気なる科学情報の寄せ集め

2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

フィンランドの先駆的な放射性廃棄物処分

フィンランドが進めている高レベル放射性廃棄物処分の先駆的な実践がドキュメンタリーとなっている。 その名も『100000年後の安全』だ。10万年経過しないと放射性廃棄物が安全な物質にならないことからきたタイトルだ。 オンカロ・サイトという古い安定した…

ハードSFとその性質について

SFはかなり特殊な小説ジャンルだと思う。とくにハードSFはテクノクラートの夢想の性質をことさら反映して、特異な物語になっている。 自然科学がハードSFのキモであるのは言うまでもないけど、その科学の扱いは聖書における神の扱いに似て、途方も無い…

アメリカ富豪学者の趣味の火星観測

筒井康隆のベストセラーで「富豪刑事」という小説があったが、アメリカ人の富豪はとんでもない人物を相当、輩出している。パーシヴァル・ローウェルもその一人。 明治期の日本にやってきて能登半島までノコノコ出かけたり、御嶽山でフィールドワークして『オ…

何はともあれ『宇宙兄弟』

話題性のあるリアルで絶妙なコミック『宇宙兄弟』を読みだしたところだ。兄弟の兄貴に感情移入をさせる出だしだ。弟はすでにNASAで日本人初の月面着陸ミッションに参加している。 とにかく性格描写が上等で逸話がハマっている。宇宙飛行士に憧れる人たち…

エディット・ピアフの定番

ホィップスネイド野生動物園

ヨーロッパ最大の野生動物園「ホィップスネイド野生動物園」 入場料は高めで志も高い。絶滅危惧種を保存するのが目的なのだとか。 公式サイト: http://www.zsl.org/zsl-whipsnade-zoo/ 大きな地図で見る絶滅危惧種見聞録 (読んどこ! books)作者: 玉袋筋太郎…

インドのエコヴィレッジ「オーロヴィル」

「オーロヴィル」とは約20平方キロの実験型エコヴィレッジだ。 インドの魂の共同体が運営する。80年代のNEW-AGEの生き残りかと思うとそれだけでもはなく、UNESCOの協賛をえている。名称は「スリ・アウロヴィンド」に由来する。公式サイト http://www.aur…

先進国における失業率

興味深くかつ切実な事実として、先進国の失業率は基本的に上昇基調にあるという経済学者たちの発見がある。 失業一般の原因をまとめておくと 1)個人の就活と企業の仕事口とのマッチングに時間がかかる 2)賃金の硬直性。労働人口が余ればサラリーを下げる…

バブルアニメ

等角写像の応用によるバブルアニメでございます。 こんな単純な円の生成消滅から宇宙の創成を連想するのは自分だけでしょうけど。いろんな夢想をしてください。 同じ大きさの円を平面に充填してそれを一つの複素関数で写像することで生成できるのが味噌。つ…

俳句の情報理論

俳句の妙味は感性連鎖をいかに17字に折りたたんで凝縮するかにある 新たな感性の連鎖反応を巻き起こすアルゴリズム圧縮をどのように達成するかなのだ。例で説明してみる。 古池やかわず飛び込む水の音 この芭蕉の句はあまねく世界に知れ渡っている。ボルヘ…

続 エネルギー消費の国家比較

昨日の継続であります。 ここに三大エネルギー源の統計があります。石油、電力、そして天然ガスです。 いずれも排他的なエネルギー源ではありません。火力発電で石油や天然ガスを使うからです。また、自然エネルギーで電力供給しているかもしれません。 です…

エネルギー消費の国家比較

エネルギーの消費量を主要5カ国について比較してみる。五カ国とは、アメリカ、日本、中国、韓国とドイツです。とくにアメリカの後進性についての危惧感を書き留めたいのです。2009年の年間石油消費量の対比から始めよう。一日に消費するバレルの表です…

今和次郎とゴールトン

今和次郎というと「考現学」の始祖になろう。日常生活を観察する、現代社会を記録する、そのことに血道をあげた。都市風俗の研究の開祖ともいわれる。 路傍の雨樋や井戸、洗濯物干しなどを克明に写生している。道行く人達の服装などのログをとっている。ライ…

アフリカのアオルンガ隕石孔

ナショジオの記事「1500年前、地球に巨大隕石衝突か」を読んだ。 わずか1500年前にもデカイ隕石がオーストラリアに落ちている。シベリアのツングース隕石は20世紀初頭だったしね。 また、そこに引用されていたチャドのAorounga Impact Crater 「アオルンガ衝…

ヒース卿のギリシア数学史

トーマス・ヒース(1861-1941)というとギリシア数学史を紐解いた人なら泣く子も黙るという英国の泰斗です。 早い話、彼の校閲したエウクレイデスの幾何学原本、アルキメデスやらアリスタルコスやらディオファントスの後にはペンペン草も生えないようです。後…

日本で最初の計算機

それは「ソロバン」だろうと指摘される前に、機械式の計算機という前提をつけておく。 矢部良一という発明家により明治32年に「自動算盤」という名称で商品化されている。 そこそこ売れたらしい。東京の小石川区の雑司が谷に計算機工場を所有しているのだか…

科学史の隠れ名著

科学史の有名な本というと山本義隆氏の著書などがある。あるいはダンネマンの浩瀚な『大自然科学史』が代表だろう。 あまり知られていない、けれど個人的に大いに学んだ隠れ名著をここで数冊紹介したい。 シュテーリヒの『西洋科学史』は、あの現代教養文庫…

人の歩く速度の下限

どれだけ人はゆっくり歩けるだろうか? 補助道具なしに二足歩行で前進する条件でいかに緩慢に歩けるかだ。四つん這い=ハイハイは、なしだ。 妊婦やリハビリの人、病人やけが人の移動速度ではなく、健常者が努力して可能なかぎりゆっくり歩く、けして動作を…