サイエンスとサピエンス

気になるヒト、それに気なる科学情報の寄せ集め

2010-08-01から1ヶ月間の記事一覧

男子の温度依存性

アボガドは原産地のことばで「睾丸」を意味するものがなまったらしい。そういえばそれらしく見えなくもない。両方ともシワだらけだ。 この器官がシワだらけなのは熱の放射効率を上げるためだろう。 また、この器官がそっくり外にぶら下がっているには、ワケ…

眠りが不要

眠りが必要になるのは、自我に飽きるからだ。あきあきしてアクビがデルからだ。 もし、自分が徹頭徹尾面白くどの情緒も考えも経験も新鮮さが延々と続くならば 眠りはいらない。 眠ると皮膚が身体がポカポカしていい気持ちになる。意識という圧制者から解放さ…

大川周明のイスラム研究

大川周明はそれなりに評価すべきなのだろう。 極東軍事裁判でGHQは大川をナチの御用学者と同様なイデオロギー扇動の狂信家に仕立てようとしたが、失敗した。 そのあたりを含めて彼の客観評価は松本健一の本に詳しい。リベラルに近い松本が、極右の思想家大川…

ニッポン他己礼賛

良識のある他の文化圏の日本感をちょっと覗いてみよう。 日本庭園の美と巧み、繊細はあまねく知れ渡っていると思う。 フランスの文化人ブノア・メシャンの言う事を聞こう。 ついに日本の庭は、一造園家の作品というよりは緑の塊から刻み出された宝石、芸術的…

四次元空間の学者の閨閥覚え書き

明治政府のお雇い教師の一人だった数学者ヒントンが四次元に関して後世に残る啓蒙書をものしているのはわりと有名だ。四次元幾何空間を論じた本には必ず引用される古典といっていい。 彼の本は国書刊行会のバベルの図書館シリーズ(ボルヘスの推奨書籍)で読…

三百万羽の鶏工場

ニワトリの窮状というかアウシュビッツ収容所的状況に同情する人々はそれほど多くはない。 鶏たちの生殖→食肉工場はある意味では牛の口蹄疫の惨状もなんのそのだ。牛の方はまあ一挙に大量処分されたわけだが、カチンの森のようにね。ただ牛といえども死を知…

死生観、別の妙味

淡島寒月の辞世などはどうか。 「今まではさまざまの事して見たが、死んで見るのはこれは初めて」 これも真人の境位を示すのではないか。 明治に生きた寒月は、洋もの好きでバターや珈琲、ペンキやカーテンをそそくさと愛用。習いもしないオルガンコンサート…

道教でいう真人と認知症

万物斉同の境地に達すれば区別はなくなる。それこそがボケの達人だ。 今どこにおり、今がいつなのかといった見当識すら投擲できるのが、スゴイ。 森田療法で有名な森田正馬は末期の病床で、昏睡から覚めて見当識がないことから、死の迫るのを自覚しさめざめ…

iPodとiPhoneとiPad

21世紀初頭のAppleの製品はインパクトがあった。 それらは何を我らに物語ってくれるだろうか?iPodは何を変えたのか?作者: スティーブン・レヴィ,上浦倫人出版社/メーカー: ソフトバンク クリエイティブ発売日: 2007/03/29メディア: 単行本購入: 5人 …

天国か地獄かの問いへの気の利いた回答

そりゃあ、マーク・トウェインのそれに勝るのはない。 「気候で選ぶなら天国だが、友人の多さで選ぶなら地獄だ」 パスカルの賭けのような非人間的な解答ではない。 彼はハレー彗星とともに生まれ、ハレー彗星とともに地球を去った。 76歳だったわけ。 晩年…

理系が読む老子

これは「老子」の忠実な解釈でもなんでもない。老子が思想的かつ宗教的な叡智の遺産であることは否定しようもないが、やはりそこに自然科学や工学、ひいては数学的な思考の萌芽があるのは確かだ。 かつてサボーがエレア学派の思想から読み解いた公理主義(ユ…

過ちの行く末

遺伝子の複製ミスが進化要因だとするとそこから生じた形質や能力が生き残ることもありうる。大いなる仮説―DNAからのメッセージ作者: 大野乾出版社/メーカー: 羊土社発売日: 1991/04メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (6件) を見…

万治の石仏

諏訪にある「万治の石仏」はどうやら人気を呼んでいるらしい。 諏訪大社下社の門前に万治の石仏グッズの販売所まである。大社に参拝したヒトは「石仏(せきぶつ)さん」(地元の人はこう呼ぶ)にもお参りしているようだ。 むかしは、「浮島の阿弥陀さま」と呼…

卓越した政治家たちの名著

カエサルの「ガリア戦記」、チャーチルの「回顧録」、トロツキーの「ロシア革命史」、あるいはナポレオンの「セントヘレナ日記」やトクヴィル「二月革命の思い出」などを加えても良いだろう。 そして、日本にはこれらに該当する書はないと思う(どうでしょう…

自炊6000冊

終戦記念日の今日、6000冊のデジタル化を達成した。 蔵書のpdf化を着手してから、はや5年あまり。その間紆余曲折はあったが、思えば長い道のりであった....なんて言っても白々しいのでヤメとく。 自炊の最大の目的は、諸般の事情による自己空間…

石原莞爾の人脈ネット解析

山口昌男の「挫折の昭和史」はまことに意想外で新鮮な昭和初期の断面図を展開しているが、失われたヒーローとしての石原莞爾にあてる照明が人物をポストモダンに照らしている。「挫折」の昭和史作者: 山口昌男出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1995/03/24メ…

そして混沌は死んだ

人々の愉しみと、快楽の源は「穴」の使用にある。 飲む食うは、口腔とその延長である食道の通過感にあり。映画・テレビは眼孔と耳孔に入ってくる波動(音と光)への共鳴に我を忘れることにある。 タバコは肺の、さらにスポーツはひとえに汗腺の駆使にかかっ…