サイエンスとサピエンス

気になるヒト、それに気なる科学情報の寄せ集め

2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

市場経済の解毒剤としての資本論

「商品交換は、共同体の終わるところで、すなわち、共同体が、他の共同体または他の共同体の成員と接触する点に、始まる」『資本論』 マルクスの有名なメッセージであるけれど、これを現代的な視座で統一的に理論化したのは宇野弘蔵とカール・ポランニーだと…

森林生態学者と中国天童山

中国大陸での緑の回復に最も貢献している人物の一人である宮脇昭は、近年になって、ますます、森林破壊の行着く先の人類の未来について、憂慮の念を深くしている模樣だ。 それはともかく、この優れた森林生態学者は上海市の奥地にある天童山を訪れている。自…

自然人類学 始祖人類の年代的傾向

自然人類学での人類の出現に関する発見は、21世紀になっても塗り替えられてばかりのようであります。 サヘラントロプス・チャデンシスのような700万年前まで始祖が遡ってしまっている。この下を噛みそうな名前のお骨はしっかり頭蓋骨が残っている。チンパン…

デボン紀の巨大キノコ

アフガニスタンにUSAが最強爆弾を投下した。核爆弾のようなキノコ雲が出現したというニュースが昨日、流れた。通称「MOAB(モアブ)」、つまり、大規模爆風爆弾(GBU-43/B Massive Ordnance Air Blast)という9mクラスの大型爆弾なのだそうだ。 もっと平和…

島嶼化と軽自動車

21世紀になって発見された現生人類の兄弟分ホモ・フローレシエンシスはホビットという愛称がついた。大人でも150センチに満たない。彼らはほんの12000年前まではフローレンス島というインドネシア諸島の小島に生きていた。 これを島嶼化という。生物資源が限…

マグネシウム電池開発

充放電できる二次電池ではないけれど、新しいタイプの一次電池として「マグネシウム電池」が脚光を浴びている。イオン化傾向の乖離が大きいものを正極と負極に選ぶのが原則である。 金属のイオン化傾向はリチウムを筆頭に金までが並んでいる。イオン化傾向を…

Googleとボルヘス的幻想

Google Mapの考案者/開発者はニール・スティーヴンスンのサイバーパンクSFにinspireされたそうだが、そのまた根底にボルヘスの『アレフ』があるという。 その一部を引用しておこうか。主人公にとってはた迷惑な詩人がある日、泣きつくとこでアレフがつぶやか…

社会的な過剰な反応と『シン・ゴジラ』

1996年3月のイギリスの狂牛病(BSE)騒動は社会的な過剰な反応の代表例とされる。そのヒトの脳への感染の結果としてCreutzfeldt-Jakob disease (CJD)=クロイツフェルト・ヤコブ病を引き起こす。 クロイツフェルト・ヤコブ病は精神症状と高次機能障害を誘発…