サイエンスとサピエンス

気になるヒト、それに気なる科学情報の寄せ集め

2014-04-01から1ヶ月間の記事一覧

医の倫理の普遍性

その昔、ヒポクラテスの誓いを岩波文庫で読んだ時、ひどく感心した記憶がある。古典ギリシア期において、高い道徳意識で施療看病にあたった医療集団がいたことへの驚嘆である。彼らはギルドのような集団を組んでいた。コス島のヒポクラテス一派である。 その…

キマティークの鑑賞

振動に不思議を感じる。ハンス・イェンニのフィルムを鑑賞してみようか。 クラドーニ図形から開始される。ルドルフ・シュタイナーの影響が感じられる。 他にも幾つか紹介映像がある。 哲学者中村雄二郎の晩期の代表作ではこのような「かたち」の神秘に没入し…

情報は物理的な実在なの?

ビットコインが社会問題になっている。しかし、多くの人びとの銀行貯金の金額は、ほぼコンピュータ上のビットの列でしかないのは隠された真実だろう。貨幣はもはや信用を伴う情報の一種でしかない。 量子力学の情報科学的な研究は最先端研究の一翼を担ってい…

M.D.コウ 『マヤ文字解読』を読む

M.D.コウはマヤ考古学の世界的権威と言っても過言ではないだろう。もう、半世紀以上マヤ文明の歴史的解明に第一線で、挑み続けている。 「歴史」といえるようになったのは、マヤ文字がほぼ解読できるようになったからだ。かつてはその奇怪な象形文字は多くの…

先人の知恵と原子力教団

田中丘隅というと江戸時代の人で、多摩川周辺の地域の偉人ということになろうか。 川崎市にとっては地域史の定番となる人である。もとは八王子の絹商人の末っ子で、行商人だった。それが川崎の地元の名家田中家を嗣ぐことになり、大名行列の宿場町で助郷など…

続 巨大地震の覚醒

南米チリのマグニチュード8.2の地震は、幸い大きな被害を太平洋諸国にもたらしはしなかった。 しかし、2014年になってからも太平洋のプレート活動は活発であることを示したといえよう。 以前のブログで提示したグラフを再掲しておく。 M>8の地震の1970年以…

金沢城のヒキガエル

『金沢城のヒキガエル』はヒキガエルの集団の興亡が描かれた生態学の研究書である。金沢城の本丸という比較的周囲の環境から隔絶した境界内でヒキガエルの個体識別と観察を9年間続けた記録でもある。 その数、実に1526匹。 副題の「競争なき社会に生き…