サイエンスとサピエンス

気になるヒト、それに気なる科学情報の寄せ集め

2014-12-01から1ヶ月間の記事一覧

技術の定向進化と若年層失業

先進国で共通に見られるマクロ経済的な社会問題は「若年層失業率の増大」傾向である。若年層とは25歳以下の就業可能人口を指す。 アメリカ、西欧諸国(イギリスやフランス、ドイツ)、それに日本では数十年それがトレンドになっている。 経済変調を来たして…

エンジンの語源

日ごろ何気なく使うエンジン(engine)の語源は、なかなか探すのに苦労した。 それに対して、エンジニア(engineer)の語源を『科学史技術史事典』(弘文堂)に発見するのは容易だった。 なんでも「天才」が本来的な意味だったようだ。ルネサンス期に生まれ…

クン・サン族の治療ダンス

カラハリ砂漠に住まうサン族(ブッシュマンは蔑称だ)のメディスンダンスの貴重な映像「N/um Tchai」 ロルナ・マーシャルとエリザベス・マーシャルは喪われゆく文化の記録を残した。 1950年代の実録である。なんてハルモニア! エリザベス・マーシャルは『ハ…

量子力学の創始者とギリシア哲学

ハイゼンベルクは晩年期の回顧的著書『部分と全体』で、自分がその創出に一役買った量子力学と素粒子論を総括しているのは、よく知られている。 究極の物質の理論は、ハイゼンベルクからすれば、デモクリトスの原子論よりはプラトンの自然哲学に近いという。…

人口爆発とハーバー、星新一

空中窒素固定法による化学肥料はハーバー=ボッシュ法と呼ばれ、第一次世界大戦中のドイツで工業化に成功した。ユダヤ系化学者ハーバーと技術者ボッシュは大気に含まれる大量の窒素から有機物質(戦争中は爆薬の原料)を製造する技術を確立したのだ。これに…