サイエンスとサピエンス

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破滅の予兆と一神教

 キリスト教ユダヤ教・回教に代表される一神教は、神の裁き=世界の終末を教義の基礎にしている。
 では、他の自然宗教のような周期的再帰的な世界時間と決別して、世界の終末を
掲げたのはなぜだろうか。それはまた仏教やヒンズー教とも異なる。
 ルサンチマン(恨み)だ。支配者への弱者の怨恨が逆転の王国を空想したという説をニーチェはいった。

 わたしの仮説的構図はこうだ。
 人為の自然への対峙を根底に孕んでいることへの計り知れない不安と不信が「破滅への予兆」となった。
 イエス、ムハメッド、旧約聖書預言者たちはそれを敏感に感じた。
では、一神性はどんな意味を持つのだろう。それは絶対性の象徴である。
 この世の余命がいくばくも無いならば、神の再臨のときにこそ不正は一挙に回復され、虐げらしいものが神を介して復讐と遂げる。
 すなわち、創造神である唯一者・絶対者が不均衡(不正・不公平)を回復してくれるということなのであろうか。
いずれにせよ、破滅への期待はそうしたリセットの時になることへの希望があるように思われる。

終末論入門

終末論入門

余談かもしれないが、米国ペンシルバニア州アーミッシュはそうした世界の没落に備えて、原始的(上下水道、電気電信や自動車を拒む)な生活をしているのだ。彼らには世界への危機感があるといえる。

 それと対照的な開けっ放しな信仰は日本の神道系宗教だろうか。ちょっとホットするものがある。