サイエンスとサピエンス

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安倍貞任レガシー

 前九年の役で安倍一族は滅ぼされた。
まことに悔しい限りである。東北の民は皆そう感じたに相違あるまい。
語り草として「安倍の貞任さまは民の苦しみを思うて源義家に降った」
孫子(まごこ)らにそう伝えたにちがいあるまい。
貞任資料館」サイトにはそうした伝承が保持されている。
 中央権力の巨悪に立ち向かった東北の英雄安倍貞任と高任を追想しよう。
 前九年の役は源氏の私利私欲による安倍一族へ言いがかりであり、その利権を横から奪い取る行為にすぎないのは公然の事実と東北の庶民は感じた。
東北各地に残されし貞任伝説はそれを例証する。安倍一族の女性たちは美しかったという。そうした女性へのはかない運命への哀悼の念もあろう。
また、その情念がなければ、山形奥地に伝えられる『羽黒祭文 黒百合姫』を最近にいたるまで生かしめはしないであろう。
*1
http://www001.upp.so-net.ne.jp/densetutanbo/kuroyuri/01.html
 

 現代的な唄でイメージする。ENIGMAのこの曲、安倍一族へのode(頌歌)となりうる。ボーカルの声が「たかとう、さだとう、そうだよ、さだとう」と空耳する。ほとんど空耳で連想しただけだなのだが、イマジネーションは何故かしら無念にも滅び去った安倍一族の幻影に行き着く。

 謹んで安倍一族、とくに貞任と高任に捧げる。

こちらのブログには貞任の最後が語られている。
http://udonenogure1.blogspot.com/2010/11/blog-post.html

 谷川健一の『白鳥伝説』はその庶民の心情に残る無念さを丹念に拾い上げている。
 とにかくエライぜ、まつろわぬ東北人!

白鳥伝説

白鳥伝説

*1:いつ読んでもこの祭文は不思議な感を与える