英語の暗殺者を意味するアサシン=Assassinは、その語源が中東の「暗殺教団」に由来するといわれている。
大麻(ハシーシュ)を用いて若ものにパラダイスを体験させて、刺客となる暗殺者を養成していたともいう。アサシンはこのハシーシュに由来するという語源説がある。
いずれにせよ、テロリストの養成とその思想的な根底が同じかもしれない。
でもって、興味深いのは、20世紀になって、そうした暗殺=テロリズムの伝統が中東で復活したのは、どうやら日本赤軍の影響であると米国有数のシンクタンクが指摘していることだ。
ランド研究所がこのように分析しているのである。
ランドの分析では、近代になって最初の自爆テロは一九七二年五月に発生した。このとき、パレスチナの大義のために日本人テロリストニ人がイスラエルのロッド空港に入り込み、キリスト教巡礼者の一団をめがけて手投げ弾を投げ付けた。この攻撃で二十六人が死亡したが、テロリストも現場でただちに″天罰″を受けた。二人のうち二人は、警備隊の反撃によって死亡した。第二次世界大戦中の神風特攻隊よろしく「決死の作戦」となったのである。
ランドのアナリストの考えでは、この事件がきっかけでパレスチナ人が同様の自爆テロに走るようになった。もし日本人が自分たちではなく他人の大義のために喜んで死ねるのならば、パレスチナ人は自分たちの大義のために犠牲になる覚悟を示さなければならないのだった。
こんなところで日本が範を示しているのである。ヤレヤレだ。
リビアへの軍事介入も禍根を残さずに無事終了することを願うのみだ。余計なお節介で
国民を絶望に駆り立てるのは、なんどか経験している欧米軍であろうけど。
他方、若い女性のテロリストが生まれたのはこのフランス映画のせいかも知れない。
『ニキータ』は1990年のフランス映画であるが、無知な女性を魅力的で有能な暗殺者にしたてるニヒルでスウィートなストーリーであった。
米国にわたり『アサシン』となってリメークされたけど、やはり原典の作品は鮮烈なイメージがある。
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