震災で街の光景が一変した。
それがどういうことか、広島で町並みを完全に失った大学教員の体験をどこかで読んだ記憶がある。あたかも自分の人生が吹っ飛んでしまったようだと語る。土地に宿っていた記憶がそのまま消し去られたのだ。
これは衝撃以外のナニモノでもないだろう。
このような体験を東北の人びとと共有した日本にあって、これからどんな文化や娯楽が心情に根付いたものとなるのだろうか?
アキバを中心にしたサブカルチャーは求心力をなくすのではないか。モエや痛車、コスプレのようなふわふわした表現は、3.11後のジャパンにはそぐわない気がしてしょうがない。
同様に、B級なんとかや、ゆるキャラは話題の中心にはならなくなるのではないか。
つまり、日本のゆるゆるでなだらかな午後三時の気分は、いきなり暗転したのではないか。
大地鳴動の時代にはゆるキャラや萠えは、そぐわない。
これからの世界のうねりや厳しい世相に耐えうる真剣さが求められるような、そんな姿勢が注目されるような時代になってゆくのであろうか。
そんな感慨をもつのは、わたしのようなものだけであろうか?
いずれにせよ、今年後半からは日本全体が「普請中」になるのであろう。