今なお茨城県の国王神社では将門をお祀りしており、地元の人々の尊崇を集めている。
平将門を慕った関東の民衆の記憶は各地の伝承に受け継がれている。国王神社以外にも御首神社、築土神社、神田明神など江戸においても、その気構えが土地に刻まれているのだ。さらには、国家守護のために創建された成田不動に対しても、地元民はこれを排斥する伝統がいまでも続く。いやー人民の心意気だねえ。
そして、『将門記』に見られるように新皇はただの野心家ではなかった。武人なりの正義を目指す統領であったのだ。貞盛や秀郷らには敗れたが、それも伴類(部下の兵)を収穫のために里に返したスキをつかれたのである。
そんな将門公(地元の人は「公」という尊称をつける)にふさわしい音楽を考えてみた。
独立心と鮮烈な生涯とを歌い上げた『エグモント序曲』を捧げることとしよう。
エグモント公は圧政に対して叛旗を翻した。その行為により、死刑に処せられた男の自己犠牲とりわけその英雄的な精神をベートーヴェンはこの勇壮な旋律に仕立てたあげた。
劇的なフィナーレで表現される怒りの情感が、我らが将門公によく似合う。
本件はかつての「安倍貞任レガシー」の流れです。
http://d.hatena.ne.jp/Hyperion64+universe/20110210/1297346933