サイエンスとサピエンス

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竹取りのかぐや姫に

 あの偉大な心理小説の開祖である紫式部が賞めた「ものがたりの親なる」『竹取物語
 和辻哲郎が絶賛してやまないこのファンタジーには古代人から現代人までの誰にも訴える何かがあります。貴族をからかい、庶民を持ち上げる。竹取りの職は賎なる仕事であった。庶民の中でも上ではない。しかるに、下賤の民を持ち上げると見せながら竹取りの翁嫗を哀れむ。
 ここには現世を軽んじ彼岸を懐う心情が兆しているというべきか。

 つまりは、現世を超越した価値があることを砂糖にニガリをまぶして平安貴族にとどけ、ひいてはそのメッセージがヤマト民族の精神に溶け込んでいきました。

 ここでは「Fly me to the moon」を選曲して、かぐや姫に届けましょう。