サイエンスとサピエンス

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ネズ・パース族ジョセフ酋長に捧ぐ

 200名程度の小部隊をもって押し寄せる合衆国の騎兵隊に立ち向かったチーフ・ジョセフとその部隊と一族にこの音楽を献呈したい。

 開拓者と称する白人による土地の収奪の毎日。ジョゼフ酋長は温厚な人格者であり、白人の力を知っていた。部族の若ものの不満や怒りを押さえてきた。
 だが、度重なる白人の詐欺・欺瞞・侮辱に怒った一族はついに決起した。老若男女の非戦闘員多数を連れて、1600キロの逃避行を行う。白人部隊の追撃をうけながらの移動であった。
 彼とその部族の戦闘は果敢であり、かつ見事なものであり白人の賞賛を勝ち得た。
だが、騎兵隊は幼い子どもを含む非戦闘員を容赦なく撃ち殺した。戦力の差は歴然としていた。白人の不正に憤る壮年の戦士は次々に倒されてゆく。ついに部族は刀折れ矢尽き、包囲される。
 ジョセフを支えてきた老練な戦士たちは次々に息絶えてゆく。糧となる牛馬をうしない疲労困憊し冬の冷気で凍える老若男女を前にして酋長は降伏する道を選んだ。
 降伏後に供応を受けたのが、白人の尊敬のしるしである。

 長い戦闘の後、圧倒的な戦力をもつ白人たちに降伏して、もう戦いはできない、したくないと漏らした酋長には余計な献呈だというのは、私とて理解しているはいるのだ。
 けれども、その健闘は歴史に残るものであった。それは讃えられていいはずだ。


ジョセフ酋長の智慧と勇敢さを詳述した本としては下記がある