鳥類が恐竜たちの子孫であることはもう間違いのない事実だ。であるからには、鳥類が人類よりも先に進んだ生き物である可能性はある。
「そんな馬鹿なことがあるか、鳥が礼装したり、道具を自在に操るのを誰が見たのか?」という反論はごもっとも。
だが、そのような「知性」とは人類が自分本位に定義した優位性ではないか?
空からの鳥のさえずりを聴く時、大絶滅をくぐり抜ける叡智が人類どもにあるかどうかを観察しているように、ふと思うのだ。
ワーズワースを引用しておこう。
そのさえずりのなんと気持ちのよさ!誓っていう、
万巻の書にある以上の知恵がそこにある。
よく聴きたまえ、ツグミの爽快なさえずりを。
あれもまた深淵なる道を説いているのだ。
"The Table Tuerned"より
鳥については芸術的感性や宗教的理性をもつ精神のほうが、よく彼らを理解しているかもしれない。
ハドソンから始めよう。自然鑑賞をイギリスに定着させた文人だ。
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鳥はどうやら古代人には「タマシイ」の象徴であったようだ。ギリシア人にはそうではなくてもっと賢い存在に喩えられた。喜劇詩人アリストファネスの手による。
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宗教的には仏教が鳥を尊重する姿勢が強いようだ。
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中勘助はそれを日本的な空想のハナシに仕立てた。
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鳥の言葉と人の言葉を深く考えたのは幸田露伴翁である。
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あるいは手塚治虫のように人類を家畜化するほど高度なものに空想することもある。
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恐竜から鳥への進化論の結論を知るにはこの一書でok。
絶滅も進化も酸素濃度が決めた 恐竜はなぜ鳥に進化したのか (文春文庫)
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鳥はなぜさえずるのか。短く歌う種が長く歌う種よりも多いのだとか。地域差があるとか、練習するとかいうと、これは文化と言えるんではないか。
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最後は鳥の音楽で〆よう。もちろんカザルスだ。