サイエンスとサピエンス

気になるヒト、それに気なる科学情報の寄せ集め

西ヨーロッパの地震

 多くの人はヨーロッパでは大地震がないと思っている。気の利いた人なら、イタリアは例外だろうと即座に指摘するだろう。火山国なので地震はつきものだからだ。
 よほどの好事家でないとリスボン地震を思い起こせる人はいないであろう。
時は、1755年11月1日だ。ポルトガルを中心とした大地震が発生。港湾都市リスボンは甚大な被害を受けたのだ。津波で1万人、建物倒壊などで5万人以上の人命が奪われた。
 マグニチュード8.5とされている。
カントやゲーテに一大ショックを与えた。大航海時代の勢いがこの事件以降急速に萎えたとも言われている。
 ヨーロッパではこの他にも死傷者が出た大地震の記録がある。イタリアはのぞくと
珍しいところでは、

 812年イギリスで地震。死者1000人
1356年スイス、バーゼルでM6.5の地震。死者300人

というのも伝わる。
 まさに「ブラック・スワン」現象である。
 そんなことは滅多にないとタカを括ると福島第一原発のような致命傷となる。ヨーロッパですら大震災と津波から免れないのである。