サイエンスとサピエンス

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史上もっとも悼まれた虫

 鳥羽水族館ダイオウグソクムシ(Bathynomus giganteus)No.1は1869日の厳しい絶食の末に、2014年2月14日に昇天した。

 想像するに、ダイオウグソクムシNo.1は飼育環境に対するストレスの結果、拒食症になったのだろう。そうして、あまりに悲しい結末を迎えた。カーペンターズのカレンのようだ。
 水族館のような人工的環境では腐肉を分解支援するような共生細菌が消化管から消失することもありえるだろう。

 うがった見方をすれば、衆目監視の人工的な牢獄に対して、プロテスト(抗議)をしていたのだとも表現できよう。

 ダイオウグソクムシNo.1こそは、おそらく、史上もっとも注目を浴び、しかも多数の人々からお悔やみを述べられた海生甲殻類であろうか。

ザ・海の無脊椎動物 (アクアリウム・シリーズ)

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