サイエンスとサピエンス

気になるヒト、それに気なる科学情報の寄せ集め

アンダーグラウンドな北朝鮮

 北朝鮮は巨大地下王国を建設しているかもしれない。 これが本論の主題である。
 実のところ、地表面に現れている軍事施設、政府関係施設はすべて仮のもので、
本体は地中化している可能性がある。


(ここからは推測です)それはなぜか。朝鮮戦争の教訓だ。
B29による無差別爆撃を国連軍は北朝鮮に対して実施した。この冷酷無慈悲な
爆撃は国民の闘争心をくじく目的で行われた。主要都市は完全に焦土と化した。工場や学校なども例外ではない。完全に焼き尽くされた。
しかしながら、国民の士気をくじくという点でそれは無益であった。
 平壌地下にシェルターをつくり、金日成は指揮をとった。当時は国民の
熱狂的支持があったと言えるかも知れない。しかし、飢えている国民たちに対して
当時からこの独裁者は肥満傾向を示している。健康的なメタボである。
地下での生活を強いられるうちに、金日成はアンダーグランドで不健康な精神性を帯電していったのかもしれない。それがこの家系の体質・気質になったのかもしれない。

 それにもまして「正義は吾にあり」と北朝鮮国民の士気は高く、地下工場をつくり、地下学校をつくり、地下食堂をつくり、地下劇場や地下通路をつくり抗戦を続けたことが判明している。朝鮮戦争のドキュメンタリーを見ればそれは分かる。

ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争 上

ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争 上

 北の地下王国の基盤と思想はこうして胚胎した。
地表の建造物は簡単に破壊されることを彼らは朝鮮戦争で学んだのである。
38度戦をまたがって穿たれた多数の秘密の地下トンネルをみたまえ!
彼らの地下戦闘性を物語ってはいまいか?

DMZの地下トンネル】
http://www.lifeinkorea.com/culture/dmz/dmzj.cfm?Subject=History2
北朝鮮の地下滑走路】
http://wiredvision.jp/news/201007/2010071521.html
【USのNorth Korea 基地把握】
http://www.militaryphotos.net/forums/showthread.php?128528-Bluffer-s-guide-Fortress-North-Korea

北朝鮮は航空戦力において、米韓連合軍に太刀打ち出来ないことを認識し、さらには
空爆や遠隔誘導ミサイルの脅威を深刻に受け止めているに違いない。
その防空対策要綱には金正日の宮殿や主要施設やライフライン、交通網の地下化が
優先実施項目となっているだろう。
いったいどんな地下宮殿を金一族は築いたのだろう。個人的興味が先走る。

 これには先例がある。チムールのザナドウは地下宮殿の伝説的なハシリだ。
有名な例では、ヒトラーのベルリン総統官邸の地下壕やベルヒテスガーデンのベルクホーフ山荘地下にあった防空壕がそれだ。
 近くは、サダム・フセインは地下トンネルに長期潜伏していた。

12月10日のニュースによれば北朝鮮の盟友ミャンマーにも地下基地があるというではありませんか。
 

     独裁者は地下に潜み、地下活動を好む

コールリッジが夢に見た地下宮殿(ザナドゥ)は、北朝鮮のそれとは対極にあるのかもしれない。

In Xanadu did Kubla Khan
A stately pleasure-dome decree:
Where Alph, the sacred river, ran
Through caverns measureless to man
Down to a sunless sea.


この名詩に由来するオリビア・ニュートン=ジョンのヒット曲の誘いだすイメージは、半島にある「王国」とは完全に反対な存在だ。
それとも独裁者の夢想ソノモノなのかもしれないとも言える。だからこそ、無性に明るいこの音楽は皮肉になりうる。