サイエンスとサピエンス

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夏場の冷房:省電力はどうする?

 東日本に暮らす住民として、ゼヒ考えておきたいのは「計画停電」という厳しい状況において、各人がどのように節電に努力・協力するかだと思います。
 すでに官公庁や企業・教育機関において、サマータイム制やシフト勤務、夏場授業の短縮化などが実行に移されるべく検討が進んでいる。家庭も例外ではない。

 資源エネルギー庁の資料(平成15年調査)によれば、一般家庭の電力消費の25%のエアコンが一位です。エアコン節電が一番のテーマと思います。この夏、冷房の電力を何とか減らしたいのは、全世帯の願望でもありましょう。だが、この異常事態&地球温暖化のダブルパンチで、設定温度を28度ではもはや追いつかないかもしれないのです。

 アマチュアエンジニア&一般市民として、ここは無い知恵をしぼって考えてみたい。
 ということで、最初に思いついたのは、
「そうだ!これだ!ヘウレーカ」と叫ぶほどのことではないアイデアであります。
屋根の「白塗り〜」&夕刻の屋根への打ち水

 どの程度の効果があるのでしょうか。放射平衡温度の考え方でザックリ計算はできます。ほんとにザックリなので、太陽熱吸収の物理的な裏付け程度と思ってください。

 比較のために、改良した屋根は「白」通常の屋根は「黒」であるとしよう。塗料の材質や空気の温度や湿度などは、無視させていただく。太陽は真上にあり、太陽放射がただ一つの熱源とする。

 黒色屋根の平衡温度   822ケルビン=摂氏549度

 白色屋根の平衡温度   270ケルビン=摂氏 −3度

 単純計算なので、白屋根はマイナス3度となってしまいましたが、空気から遮断すれば理論的にこの程度になるという理論式&近似とご理解いただきたいです。
 要するに、白は可視光波長の大部分を反射するので、暖まらないのです。

 それに対して黒屋根はもろに吸収してしまいます。夏場の黒いボンネットのクルマの熱さは体験済みでしょうが、このような単純計算では、500度超になるわけです(やはり空気で冷やされるのでこんな高温にはならないです)
 太陽光の大部分のエネルギーは可視光域に含まれますが、それに加えて赤外線を反射すればもっと効果があるのです。

  上記の計算式の具体項目を下記に示します。

  Twは白色の平衡温度。Tbは黒色の平衡温度の状態式である。

   
   


 太陽定数とステファン定数は下記のような値です。
     
     


   
 さて、なにゆえ夕刻の打ち水なのでしょうか?
 白の光エネルギー吸収率は小さいのであるが、熱を放射しにくいのであります。昼間に暖まったら夜までそれが長持ちしてしまいます。で、屋根への打ち水を夕刻にするわけです。気化熱で冷やすのです。

 但し書きとしては、太陽の放射熱による屋根の温度上昇を防げるが、大気の熱によるはこれでは防げないのは、もちろんです。

 とはいえ、下記のような特殊塗料は今年の夏に効果があるかもしれないです。自分で試したわけではないので、体験者のご意見お願いします。
http://www.attsu-9.com/?cmd=technique

 もちろん、屋上緑化などでも良いのですが、普通の家の屋根にはどちらかというと塗り替えがいいような気がします。余裕のあるヒトは屋上の太陽電池もいいのでしょうが、放射熱を吸収するので家の冷却にはイマイチではないでしょうか?
 屋根の白色系塗料に塗り替えは外観のミスマッチがあるかもしれません。けれども太陽熱の反射を考えると、わりと効率がよく比較的手間やコストをかけずに出来るのではないでしょうか。


参考図:反射率を横軸にしています。縦軸は平衡温度(摂氏)です。