サイエンスとサピエンス

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連分数展開の変形について

 連分数はなにものかをご存知としてハナシを進めます。こちらのサイトはとても充実してるのでゼヒご覧ください。

さて、円周率πを連分数にした場合にどんな系列になるかというと

これは小数表現ではこんな系列になります。

 着実に真の値に近づいてゆくのが分かります。このように連分数は分数表現で良い近似を与えることが証明されています。
 本論で実験したいのは無理数、例えば平方根に拡張したならばどうなるか、なのです。

 実は連分数論を(円周率−3)^2に適用して、あとで平方根をとるだけで、これは実装できます。

はじめの2項は連分数の時と同じですが、第三項から平方根が出てきますね。

40項目の小数点の数値はこんな感じです。

かなり収束性がいいような感じですねえ。
でもそれをπとの精度で比較してみましょう。


 横軸が連分数化した回数で、縦軸が精度(=真値−近似値)の対数(底10)です。

 紫線が分数連分数で、青線が平方根連分数です。途中まではまあまあ同じくらいの精度ですが25回目から紫線が精度でまさるようになるのが分かります。
 単純な連分数の方がかなり精度がいいとも言えるようです。これは意外ですね。