サイエンスとサピエンス

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もしドラと再生綺譚

 程久保高校野球部がドラッカーの「マネジメント」で甲子園出場を果たす、通称『もしドラ』は、味付けが変わった青春ドラマでありました。ここではNHKアニメをメインにしてます。正式には『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』で、ビジネス書のダイヤモンド社の昨年のベストセラーです。

 JK川島みなみは病床にある親友宮田夕紀のために弱小野球部をマネジメントして、感動野球をみんなと創りだす。だが、決勝前夜、宮田夕紀はかえらぬ人となる。程久保野球部は甲子園に行けるか?
 この東京の高校の物語りでの所在地は、日野市の「程久保」あたりに比定されます。地名と多摩川らしき河川が描かれていることから、そうだと考えていたら、その通りのようで、知らぬのはわたしだけみたいでした。
 http://shinsenhino.com/archives/weekly/110111201123.php

 比定地のかかわりで、平田篤胤『勝五郎再生記聞』を持ち出します。江戸期に勝五郎という少年が前世の記憶をもつことが、江戸で評判になりました。江戸期の国学者平田篤胤は「異界」や「霊界」にご執心でした。
 平田先生は、わざわざ調査して聞き書きを残しているのであります。イギリスのサイキカルリサーチ(心霊調査学会)のさきがけみたいなもんです。
 日野市程久保はその舞台でした。
そして、勝五郎は「ほどくぼ小僧」の名で今日語り継がれています。
 その場所がこの「もしドラ」物語り比定地になります。

だからなんなのさ!

 ご疑念はごもっともです。
 わたくしのまことに偏った解釈が元ネタになっております。
 江戸期の生まれ変わり物語りの霊的なメタファーを「もしドラ」に見たのです。
勝戦で夕紀は川島みなみに顕現し、霊的に野球部を勝利に導いているかに見えます。夕紀の「にぎみたま」がみなみと部員に取り憑いて、よみがえり、ピンチにあったチームを「勇気&夕紀」づけるのです。そういう霊的な場面が最終回にあるから、感動を呼ぶわけです。夕紀の和御魂、幸御魂はみんなとともにあったのです。
 夕紀は幽鬼に通じることも申し添えましょう。

もしドラ」はドラッカーの名を借りた霊的再生譚なのではないでしょうか?
 程久保の地霊(ゲニウス・ロキ)は勝五郎に続いて、平成の世に「もしドラ」を送り出したのです。
    


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 ここまでアホな解釈にお付き合いいただき、恐縮しごくです。でも、雑談ネタくらいにはなりますよね。

 勝五郎の物語りは原典でお読みください。

仙境異聞・勝五郎再生記聞 (岩波文庫)

仙境異聞・勝五郎再生記聞 (岩波文庫)