『ケインズの確率論』については極めて不十分ながら、以前ブログに書いた。
その立場は「論理説」とされ、
確率は推論を行うときに生じる未知さを表現する。無知とはことなる「未知」さを確率として定式化できるというものらしい。「推論の重み」が確率なのである。だが、それは世界の隠された未経験の事象に関しては非力である。その事象に既知の「推論の重み」を適用することはできないというロック的経験論の規制がかかるのである。
ケンブリッジの哲学者、とくにムーアによって、確実性について大きな問題提起がなされた。ケインズもその潮流のさなかにあり、ウィトゲンシュタインとも交流をもっているのは、論理実証主義系の哲学者のコモンセンスであろう。
いつまでも「世界の隠された未経験の事象」は残る。よって主観的な推論になり、そこにどのような重み=思い入れをいたすかは人それぞれだ、というと云い過ぎか。
ヒックスもケインズの確率論的思想を受け継いでいるというのは、先ごろ知った。
『経済学における因果律』で「経済学は将来の不確実性に対応できない」としているのだそうだ。
これも本山美彦の『金融権力』からの又聞きでしかないのではありますが、タレブの
『ブラック・スワン』同様にヒューム的な懐疑論的経験主義に裏打ちされているのが、やはり本場イギリスらしいと感じいった次第であります。
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しかしながら、こちらのほうが決定打でしょうね。
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