それは「ソロバン」だろうと指摘される前に、機械式の計算機という前提をつけておく。
矢部良一という発明家により明治32年に「自動算盤」という名称で商品化されている。
そこそこ売れたらしい。東京の小石川区の雑司が谷に計算機工場を所有しているのだから。販売価格は250円だった。
その記録は森鴎外の『日記』に出てくるというのも面白いめぐり合わせだ。
そして、大正12年の大本寅次郎のタイガー計算機がそれ以前の国産計算機の存在をかき消すほどの成功を収めるのである。
- 作者: 内山昭
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1983/06/20
- メディア: 新書
- この商品を含むブログ (1件) を見る