サイエンスとサピエンス

気になるヒト、それに気なる科学情報の寄せ集め

捕鯨反対イデオロギー

 哺乳類を絶滅から守りましょう。これは正しい掛け声であると認められている。
よって鯨を食べてはイケないという命題は、導出できないだろう。
 牛食はヒンズー教など一部の人々を除けば、ほとんど容認されてる。シー・シェパードの諸君もビーフを食べながら、日本の魚民のイルカ屠殺や調査捕鯨を妨害しているのであろう。イルカや鯨大好きの西洋人は19世紀には世界中で捕鯨していたし、今は世界中で牛食文化を展開している。
 ところで、鯨は陸上動物が海洋へ逆進したとされており、偶蹄目のご先祖をもつ。つまり、牛と同じ起源をもつのだ。
 牛を食べつつ鯨を擁護するのは片手落ちというのは、言い過ぎだろうか。
 けれど、くじらやイルカを屠殺から守ろうとしている人々は、科学的根拠というよりは、むしろヒンズー教と同じ信仰的な信念から行動していると理解しておいたほうが良いだろう。
 宗教的な行為からイルカを守ろうとするのは、その限りにおいては、間違っていない。
しかし、他の文化圏にその信仰を強要するのはおかしい。
 要するに、生物多様性と文化多様性を踏みにじるバーバリズムだ。

 概して異文化について不勉強な彼らは、日本の土着信仰の伝統を知らないのだろう。
1)鯨塚で、鯨の霊を慰む 
 都内の鯨塚 http://www.asahi-net.or.jp/~rn2h-dimr/ohaka2/10gyogyo/13kanto/kagata.html
http://www.cyborg.ne.jp/~kuwano/100k/23.htm
2)鯨神社で、くじらを祀る
3)鯨鳥居で、鯨の骨に頭をたれる 
 だいどう神社 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%B7%E7%AB%A5%E7%A5%9E%E7%A4%BE 

 この行動の根本は狩猟民族と同じく犠牲となった動物への哀悼と感謝だ。牛食大好きな西洋人は、果たして牛に感謝しているだろうか?
 牛を食べていることへの罪悪感がない文化は多いことだろうが、日本はその数少ない例外だと言いたい。
 牛については、岡山の鼻ぐり塚がある。
http://gigazine.net/news/20081123_hanagurizuka/

 鶏神社だってあるんだぞ。健気にも日本のケンタッキーはここにお参りしているのだ。


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脱牛肉文明への挑戦―繁栄と健康の神話を撃つ

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