サイエンスとサピエンス

気になるヒト、それに気なる科学情報の寄せ集め

欠陥動物としての男性

 男女を比較すると生物学的に男性が不利な条件におかれていることは周知のことだ。
 平均寿命の差は女性が勝つのはもちろんだが、新生児の出生比率が男が高いが、50年も経つと男性が女性より少なくなりだす。50歳くらいから女性の方が生物的に頑健であることが如実になるわけだ。
 自殺や遺伝的病気の発生率でも男性は不利な状況にある。ただし、精神疾患は均一化が進んでいるらしい。

性別と精神疾患との関連の国際比較:WHO 世界精神保健調査

〈結果〉全てのコホート及び国において,女性では男性よりも不安障害,気分障害が多く,女性対男性の統合オッズ比は1.3〜2.6で統計学的に有意であった。双極性障害では統合オッズ比は有意ではなかった(0.9)。男性では女性よりも外在化障害(注意欠陥/多動性障害,行為障害,間欠性爆発性障害),物質障害が多く,女性対男性の統合オッズ比は1.0以下(0.3〜0.8)で有意であった。生涯発症リスクの性差はほとんどの疾患でコホートを越えて一致していたが,最近のコホートでは,大うつ病性障害と物質性障害については有意に差が縮小していた。間欠性爆発性障害は6ヶ国で調査されたが,このうち5ヶ国で性差が縮小していた

 犯罪者では男女比 男:女=4:1 で男性が人生転落をしやすいことは裏付けできる。
https://ds-pharma.jp/literature/psychoabstract/article/2009/12_06_25.html

 男性が論理的かつ分析的な能力、機械を操作する能力や瞬発力や筋力で優れていたとしても、それは女性の瞬間的な情緒反応や長期的な肉体持続力によって相殺されるであろう。女性は情緒的というが、そうした感情アルゴリズムはすぐれてヒューリスティックな判断能力であり、男性が論理をノロノロ積み上げるよりも素早く結論に至ることがママあるのだ。

 しかるに、見かけ上は現代社会は男性有利である。平均年収も学歴も家族内における身分(民法上)も男性が上位にあるかのようである。
なぜだろうか。
 ここでの結論だ。
 上述のように心理的にも身体的にも男性は不利であることが生物学的な事実である。それを補うために、男性は「制度」を編み出した。男性有利になるような制度だ。
 ゲーレンによれば人間は欠陥動物であり、それを補償するために制度を構築した。その欠陥性は男性がひとえに担っており、男性が自分のフリを解消するために「制度」、法や宗教や統治機構を編み出したのではないかと思えるのだ。

 嘘だろうと思うなら、この書籍に向かい給え。

人間―その性質と世界の中の位置

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