サイエンスとサピエンス

気になるヒト、それに気なる科学情報の寄せ集め

音響ARがあれば

 音響AR=音声による拡張現実の機運がそこかしこにある。
それでは、視覚によらない聴覚ベースの拡張現実とはいかなるものだろう?

 音場を形成して情緒コントロールすることが第一の可能性だ。
 非浸襲的な脳波モニター技術はかなり練れたものになった。これをもとに個人の気分や要望に応じたサウンドスケープを生成する。音楽を含む環境音を生み出し、しかも、それは活動の邪魔にならないというのがミソだ。つまり、イヤホンは不使用なのだ。
 これにより外部の騒音をキャンセレーションすることもできるはずだ。
 そのためにも、耳介を3Dスキャンして、その内部に音場形成をするという手の込んだメカニズムが必要になるだろう。

 そして第二に、立体音響が必須となる。耳のそばで音をだす感覚をユーザに与えないのだ。 それは外界からやってくる。身体からはなれた空間を介して響いてくるように音場が生成されるのだ。
 信仰深き人は召命の呼びかけを再生してみることができるし、練習に励む運動選手は声援を擬似的に作ることもできるだろう。

 第三に、通信機能だ。あるポジションに立てば、そこで自分宛のメッセージを再生できる。ソーシャルゲームに利用できるし、伝言にもなる。墓参りで先祖の声を聴くなんてこともあろう。
クラウド型のサービスでありGPSもしくは電子タグが用いられるのは言うまでもあるまい。
 なによりも、地理的ソーシャルネットによる口承伝統の甦りを期待するのは自分だけであろうか?