サイエンスとサピエンス

気になるヒト、それに気なる科学情報の寄せ集め

ドリルメカの先祖 フナクイムシ=shipworm

 フナクイムシがシールド工法の発想をブルネルにもたらした。
フナクイムシは二枚貝である。その片方がおろし金のようになっている。木を削るに際して、この貝は吸盤で木に密着する。
 そして殻のおろし金で木をこすり取り、それを食するのだ。

 マーク・イサンバード・ブルネルが海底トンネルの仕事を任されたのは1824年(日本では文政期だ)
 この人、もとはフランス人であるがフランス革命の勃発で北アメリカに亡命。それからロンドンに流れつき、トンネル研究に没頭する。
 彼がつくった鉄のシールドは幅10.8m、高さ6.6mというから巨大だ。36人の坑夫が開削し、3センチ掘り進むと周囲に板張りをするのだ。これを繰り返すという気の長い作業で、テームズ川の下に世界初、おそらく史上発の川底トンネルを開通させた。1843年(天保期)のことである。

 時は流れて、ブルネルの方式が機械自走式になったのが現代のシールドマシンだ。これを独立自走式にしたいという研究者がいれば、素晴らしいことだ。海底軍艦轟天号ジェットモグラ(The Mole)がいれば、世界は変化する!
自分も応援するよ。

古河ロックドリル株式会社に当面、期待しておく。



 日本のシールドマシンはトルコのボスポラス海峡横断鉄道トンネルやイギリスとフランスを結ぶユーロトンネルにも活躍したことを追記しておく。
 今やサイズは直径17mクラスとなり、海に陸に大活躍だ。

 フナクイムシの地道な食事。

シールド工法のアニメ TBM (Tunnel Boring Machines) というのが通称だ。