有界な万能シミュレータは存在しない
この言明で何を言い表そうとしているか?
有界というのは物理的境界が有限であるということだ。寸法と時間の両方ともそのなかに含まれる。
ここでの、シミュレータはある対象を計算機により擬似的な再現を行う。機械的な現象、電気電子などの物理的現象や社会的現象などリアルな計測可能な現象が対象となる。
「万能」とは上記の意味でシミュレーションできるものを指定したモデルと精度でリアルタイム以内に実行=演算できる性能を指す。
つまり、実時間以上の計算時間を必要とするならば、シミュレーションとは言えないとしている。
では、「有界な万能シミュレータは存在しない」理由はなんなのか、についての着想(つまりは、思いつきでしかないということ)を書き出してみる。
万能シミュレータはその対象に子どもの万能シミュレータを複数持たせることができることが含意されるはずだ。計算機は物理的現象でありシミュレーション可能であるからだ。
そうするとそれらのそれぞれの万能シミュレータに孫の万能シミュレータを擬似実行させることもできる。以下、続く...。
すなわち万能シミュレータを無数にシミュレーションできて、計算能力は無限に接近する。これは不合理である。
よって万能シミュレータは存在しない。
- 作者: 高岡詠子
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