サイエンスとサピエンス

気になるヒト、それに気なる科学情報の寄せ集め

ラスベガス消失までの残された時間

 フーバーダムは世界最大級のダムの一つです。フーバーダム1個で約400億立方メートルで日本のダムの総貯水量を凌駕します。
 自分もかつて、夜明け前のフーバーダムを訪れたことがあります。巨大すぎて島国人間にはその大きさが測りかねる印象がありありとよみがえります。
 1936年に竣工したこのダムが生み出した貯水池(湖)がミード湖であります。その恩恵をうける有名な都市がラスベガスであります。
GoogleMapで見ていただければ地理的な位置関係、上水道の源となることは明瞭でありましょう。

 日経サイエンスの『地球の最適解を探る』(2015)のM.E.ウェーバーによれば、2021年には渇水状態となると予想されています。後数年です。
 現在も、ミード湖は過去十数年間貯水量の減少に歯止めがかからない状態にあります。昨年も地元の新聞に2016年5月に記事「Lake Mead declines to lowest level in history」が掲載されました。
 地球温暖化の影響と書かれていますが、実はフーバーダムが完成する頃から、コロラド川の治水政策が過ちであることは指摘がありました。
 最近になって、またもや水不足がクローズアップされつつあります。世界水不足は全くもって解決のないままずっーと持ち越されてきていたわけです。


【参考資料】

ダムはムダ―水と人の歴史

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水の世界地図 第2版 刻々と変化する水と世界の問題

水の世界地図 第2版 刻々と変化する水と世界の問題

 コロラド川の水利権をめぐる争いの歴史とその分配による大いなる無駄使いが明らかになる

ウォーター 世界水戦争

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