サイエンスとサピエンス

気になるヒト、それに気なる科学情報の寄せ集め

『チリ史上最悪の森林火災』に関連して

 2017年1月チリでは史上最悪の森林火災が猛威を振るっている、とナショジオニュースが流れている。

 ところで、北アメリカの森林火災の統計を調べてみよう。全米省庁合同火災センターの統計情報(主要な森林火災の発生年度、場所、面積)の統計であります。1997年から2015年までが掲載されている。

 主要な火災の年度での面積(エーカー)を時系列で出す。縦軸は焼失面積で単位はエーカー(1 acre= 4047 平方メートル)、点は主要な火災を示す。2004年が最悪の年だったのがわかる。この年の森林火災はアーカンソー州に集中した。


 年度別での発生件数はこうなります。件数的には減少していないようだ。実はこの十数年間に森林消火局は人員を増やし、監視体制を強化し、森林延焼シミュレーターでの効果的予防措置を講じていた。にもかかわらず、大型森林火災は減少していないのだ。

 日本では森林火災を大々的に取り上げることも少なく、林野庁もその防災宣伝にはそれほど力を入れている気配はない。しかし、アメリカやインドネシアなどでは激甚な森林火災が周辺国を巻き込んで発生することがある。
 ある意味、切実な森林破壊の原因のひとつなのだ。


マクリーンの渓谷 若きスモークジャンパー(森林降下消防士)たちの悲劇

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