その昔、太陽系形成の渦モデルなるものがあり、それはボーデの法則を説明するとかで、大いに感心したことがある。いわゆるワイツゼッカー説である。
今日では、それがより精密な「太陽系形成の標準モデル」なるものに置き換わっている。京都モデルという。京都大学の天体物理学チームの開発したものが、ほぼ定説となっている。
1)水素・ヘリウムガスを主成分とする原始惑星系円盤の中でミクロンサイズの塵が凝縮される
2)塵からキロメートルサイズの微惑星が形成される
3)微惑星が合体集積して地球型惑星をつくる原始惑星やガス惑星のコアが形成される
4)コアの質量が地球の5−10倍を超えると円盤ガスが流入して、地球質量の100倍を超えるような巨大ガス惑星(木星や土星)が形成される
5)円盤ガスが消失したあとにできた氷惑星(天王星、海王星)はガスを吸わずに残る
6)内側領域の原始惑星は円盤ガスが消失後に巨大衝突を起こして、地球型惑星(水星、金星、地球、火星)が形成される<<
井田茂『スーパー・アース』よりつまりは、小惑星帯を挟んで岩石系の惑星(水星、金星、地球、火星)とガス系巨大惑星(木星と土星)、その外縁の天王星と海王星をうまく説明できるのだ。その境界を「雪境界」という。
これはつまり、太陽ほどの質量があれば、ほとんど類似な構成の惑星グループを引き連れているということを意味している。
星間物質からおよそ1億年で現状になることを導出することも可能だという。しかも、最近続々登場している系外惑星のいろいろなパターン、灼熱巨大惑星や離心率が異常な惑星などをうまく説明することも可能である。太陽系とは異なるパターンも初期条件の違いで生成可能な汎用モデルということで「標準モデル」というのだ。
追記:::林忠四郎が京都モデルの基礎を研究した。林は2010年90歳で亡くなったが多くの天体物理学者を育成した。その中には佐藤勝彦と佐藤文隆がいる。この二人は犬猿の仲である。
ということで、なかなか日本の天文学も頑張っているというお話でした。
一億個の地球―星くずからの誕生 (岩波科学ライブラリー (71))
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では最近発見される系外惑星は説明できるかがこの本で検討されている。
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