サイエンスとサピエンス

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地球重力場の微小変動を観測し続ける衛星 GRACE

 GRACE(Gravity Recovery and Climate Experiment)はNASAとドイツ航空宇宙センター(DLR)が打ち上げた地表の観測衛星だ。2002年に打ち上げ、現在でも観測を継続中である。

 その著しい結果が地表の重力場の経年変化を可視化できることである。
公式サイトGRACEで詳細は読んでいただくとして、グリーンランドの氷床流出の観測結果をyoutubeから、引用しておこう。


 
 確かに衝撃的な観測結果であるし、こうまで淡水が大西洋に流入するとなると海流や大循環にも影響が及ぶのではないかという心配が湧いてくるのはもっともである。しかし、このコンテンツが1000回程度しか再生されていないのも、なんか虚しいですね。

 グリーンランドの氷の量たるや想像を絶するものがある。

氷の厚さは沿岸近くで1,500m、内陸部で3,000mに達する。氷の重さで島の中央部の地面は海面より300mも低い。

 場所により富士山なみの氷の厚みがあるわけである。
大西洋の氷床流出がヨーロッパなどの気候変動に与えた影響は、かなり解析されている。この良著を参考にしていただくと、気候変動の研究と歴史がよく分かる。

チェンジング・ブルー―気候変動の謎に迫る

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