白洲正子の『西国巡礼』の第27番は「書写山」だ。
ここは播磨/兵庫県のハズレにあるが、その開祖的存在の性空上人は都の兼好法師が敬愛したし、あの和泉式部も上人に当てて詠んだ歌があるそうだ。当時から有名だったということだろう。
暗きより暗き道にぞ入りぬべきはるかに照らせ山の端の月
現代にあっても、なにゆえか、トム・クルーズ主演の『ラスト・サムライ』のロケ地だったとも聞く。映画では、ラストサムライ(西郷隆盛がモデル?)=渡辺謙の本拠地に設定されていた。その映像からすると風格と歴史のある建物であるのは間違いない。
自分はいかんせん係累が多くて同地を訪れることはできないが、円教寺のwebを見た後、GoogleMapで空から拝観することとしよう。
夢前川(ゆめさきがわ)という美しい名の川にそって、寺と境内がある。ケーブルカーが興を削ぐと白洲正子は書いているが、そこから正門まではかなりな道のりだ。
これはまた、韋駄天お正の名にふさわしい巡礼記だ。
- 作者: 白洲正子,多田富雄
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1999/06/10
- メディア: 文庫
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