サイエンスとサピエンス

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ミシシッピ川の河口

 ミシシッピ川は全長3779kmで北米で一番長い川、流域面積も最大の河川である。
ところが河口はそれほど目立つ存在ではない。
 17世紀フランス人のラ・サールが領土宣言をした後、ミシシッピの河口を求めて海岸線を彷徨ってたあげく、部下に暗殺されてしまった。
彼の領土宣言によりこの周辺はフランス領となる。「ルイジアナ」の起源である。ルイ王家の土地だ。
 河口付近の都市ニューオーリンズも「新しいオルレアン」の英語読みである。

 どれほど、河口付近が入り組んでいるかは下図を見ればわかるかもしれない。
これは人口堤防で護岸工事をした結果だが、500年に一度の洪水レベルでの治水工事だとされている。にもかかわらず、2005年ハリケーンカトリーナにより100年も経たずに決壊同然の状態になった。

この河川の父は5000年ものあいだ、勝手気ままに河口を入れ替えとっかえしていたのだ。


ミシシッピ=アメリカを生んだ大河 (講談社選書メチエ)

ミシシッピ=アメリカを生んだ大河 (講談社選書メチエ)