サイエンスとサピエンス

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少数支配と統治の技巧

 イギリスは今でも尊敬される国家の一つであり、大英帝国の遺風を偲ぶ他民族も多い。
ロンドンのロンバード街はいまでも世界の金融中枢の一つであり、そのネットワークはケイマン諸島のようなタックスヘイブンは英国製という事実にも現れている。
 大英帝国は20世紀半ばまで世界を統治していた。インドパキスタンパレスチナ周辺などなどだ。
 まあ、しかし、その支配の遺産は負の遺産となっている。
その巧妙な統治方法は三通りである。

1つ目は民族対立を利用して支配する分断統治
 イギリスから独立したインドとパキスタンは分裂して領土の争いは続いている。パレスチナイスラエルパレスチナに分断された。その紛争は絶えることのない中東の火種である。カシミール問題である。
 それもこれもイギリスの統治の方法が民族や宗教の分裂を利用し、その亀裂を拡大することで利権を確立したやり方に原因があると思う。
特定の少数グループを優遇し、多数者を支配するのがイギリス流の統治であった。
 この2箇所は大きな戦争のもとになる可能性を秘めている。

2つ目のパターンは先住民族の殲滅化政策
 オーストラリアやニュージーランドではアボリジニーなどの原住民がいたが彼らは少数で無力であったが故に、大英帝国から軽蔑されただけだった。
 アメリカ合衆国はどうか?
実は独立戦争のおりにアメリカ原住民を味方につけて、独立を阻もうとした。しかし、それには失敗し、原住民は疫病で人口が激減したため、アメリカは北米を支配できた。
 南アフリカはどうか?
ブーア戦争で目障りな白人であるブーア人を殲滅している。黒人は戦力外通達だ。
これらの国々は白人種の支配が永続したため、政治的混乱は少なかった。
 
 3つ目は香港だ。 
 今回の香港の民主化デモもイギリス統治から分離して、そのために中国からの切り離して独自の統治を確立した結果と言えないでもない。