量子力学の創設者の一人Diracは変わりものでもあった。人間味のないファインマンと言われていた(ホントはその逆で人間味のあるDiracとファインマンが呼ばれている)
彼はめったに小説を読むことがなかったが、ある時『罪と罰』を読んだ感想を聞かれた。
「素晴らしい小説だね。しかし著者はある章で間違いを犯しているよ。太陽が一日に二度昇るんだ」
これが本当かどうか検証したという話しは聞かない。ロシア文学の研究家は注意を払うことがないのであろうか?
でも、ガウスで似た逸話がE.T.ベルに出ていたと思う。
ガウスはウォルター・スコットのファンだった。ウェーバリーシリーズの愛読者であったそうだ。
スコットの小説で月の出る方角に間違った記述があった。
「月は西北の空にあかあかと昇る」
それを読んだガウス先生は大笑いしたそうだ。