今年になってマダガスカル島でペストが流行している。10月25日付のNews「ペスト猛威のマダガスカル、死者が124人に増加」が流れているのを知り、我が目を疑った。
なぜなら、1980年にWHOが根絶宣言したはずではないか?
どうもそれは記憶違いであった。根絶宣言の相手は「天然痘」だったのだ。
それにしてもペストがいまだに世界を彷徨いているとは解せない。ヨーロッパ中世末期の大いなる流行をみた黒死病だよ。それが21世紀のアフリカの一角で流行っているのはなんとも言えない混沌とした時代にいる不安が兆す。
気候変動が政治経済を揺るがす時代に次第に変容してきているのだから、なんとも為す術がないのだろう。周辺から忍び寄る世界秩序のほころびがこのペスト流行や先年のエボラ熱大流行に象徴される。